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現存「奉安殿」リストを作成しています

8月24日の官報で、鹿児島県瀬戸内町の「奉安殿」6棟が登録文化財に登録されました。

これを機に、現存する「奉安殿」を調べてみようと思い、ネット検索で確認できたものをリストアップしてみました。「奉安殿」には、独立棟型と屋内型とがありますが、このリストは「独立棟型」に限定したリストです。
http://www.jmam.net/b/kindai/houanden.htm

調査前の予想では、各県に2~3棟平均として、現存する「奉安殿」は100~200棟程度ではないかと考えておりました。しかし、調査を進めてみると、結構残されている感触です。

「GHQにより解体」とばかり思い込んでおりましたが、「解体」ではなく「撤去」の命令だったようですね。

現存する「奉安殿」は圧倒的に神社型のものが多く、神社・寺院などへ移築・転用されています。個人的には、ギリシャ神殿風などの神殿型が好きです。調査前に、小生が目にしていた「奉安殿」はすべてこの神殿型でしたので、神殿型のほうが多く残されていると考えておりました。

リストの記載事項の不備、また、未掲載の現存「奉安殿」の情報などをお寄せいただければ幸いです。

岩手県紫波(01)

ファイル 693-1.jpg

旧紫波郡役所。紫波町役場の敷地内(駐車場)に現存し、現在も利用されているようです。ちなみに、紫波町役場の庁舎はY字型の建物です。スターハウスの類でしょうか。

円形校舎の情報を求めます

昭和30年代に、全国で100カ所ほど建てられた「円形校舎」ですが、現在、そのほとんどが解体されてしまっています。


旧明倫小学校(鳥取県倉吉)

数年前に、「円形校舎」のページを立ち上げ、全国の円形校舎リストを作り、情報提供を呼びかけました。円形校舎に学んだ方々にとって、円形校舎はとても鮮烈な印象を残しているようで、多くの情報をお寄せいただきました。
http://www.jmam.net/b/kindai/enkei.htm

「円形校舎」でブログ検索をすると、同窓会があったり帰省したりで、円形校舎に再会した思い出が語られています。まだ、リストアップできていない円形校舎も多々あるようです。

引き続き、円形校舎の情報を求めます。円形校舎で学んだ方はもちろん、近所にあったという情報、また、円形校舎で教鞭をとったという方の、円形校舎についての印象などもお寄せいただければ幸いです。

今日の官報に登録文化財の告示

今日の官報(号外)に、登録文化財の告示が出ていました。
http://www.jmam.net/b/kindai/touroku49.htm

東京の国際文化会館や、群馬の法師温泉、JR西岩国駅駅舎などが登録文化財となっています。
ファイル 728-1.jpg
JR西岩国駅駅舎

今回、面白いと思ったのは、鹿児島県の瀬戸内町が、町内の奉安殿をまとめて6件も登録していることです。奉安殿の登録は、今回が初めてではないでしょうか? 今後、各地で奉安殿の登録が進むかも知れません。

奉安殿については、近代建築探訪メーリングリストの仲間である忠太さんのページに、詳しくまとめられています。
http://homepage1.nifty.com/tanboh/hoan01.htm

徳島県麻植(01)

ファイル 690-1.jpg

西知恵島公民館(昭和31年築)。敷地内の石碑に、築年が昭和31年とあり、驚きました。もっと古そうに思えるのですが。

福井県敦賀(05)

ファイル 687-1.jpg

敦賀倉庫の事務所のそばにある倉庫。映画館か劇場のような飾り。

竹筋コンクリートの建造物

昨年、ブログを始めた当初に「『竹筋コンクリート』って、ご存じですか?」という記事を書きました。
http://www.jmam.net/blog/archives/10.html

その後、耐震偽装問題やら、中国での「手抜きによる」竹筋コンクリートのニュースやらがあって、竹筋コンクリートの話題も盛り上がったのですが、残念ながら日本での竹筋コンクリートによる建造物(とくに建物)についての情報は、ありませんでした。

ネット検索をしていたところ、竹筋コンクリートで論文を書いていらっしゃる方のページが見つかりました。大変詳しい情報も、掲載されています。
「建築調査技術コンサルタンツ」
http://brtc.at.webry.info/

このブログに、「竹筋コンクリート」という項目があります。
http://brtc.at.webry.info/theme/6c51e95471.html

やはり、橋梁が大半です。建物は、岩国の徴古館のみ。
ファイル 698-1.jpg
徴古館(昭和20年築)

しかし、こうして研究されている方がいらっしゃるのは、心強いことです。今後、新しい発見があるかも知れません。まあ、壊れたり壊したときに、「竹筋だった」という発見、ということになるのでしょうが……。

2日にわたり、小樽を歩きまわりました

小樽生まれとは言え、物心付いた時には小樽を離れており、幼い日々に小樽を駆け回っていたというような記憶はありません。毎年、親戚の家に遊びに行く程度の心細い土地勘でしたが、今回、2日間に渡って小樽を縦横に歩きまわり、位置関係がようやく呑み込めました。

1日目は小樽駅の駅前通りより左側(手宮側)の地区を、そして2日目は右側(札幌側)の地区を歩きました。それぞれ、点として見知っていた建物の位置関係が、ようやく掴めました。市役所を中心に、左右に警察署と消防署、そして稲穂小学校が一直線上にあったとは気付きませんでした。
ファイル 680-1.jpg
小樽駅(昭和9年築)

ちなみに、稲穂小学校の円形校舎は、平成6年に解体になったとのことでした。昭和36年築とのことでしたから、35年程度の短い寿命だったことになります。

円形校舎について、小生がまとめたページ
http://www.jmam.net/b/kindai/enkei.htm

小樽、函館での解体速報

お盆休みに、小樽、函館を歩いています。今年は、悲しい情報ばかりです。

まず、小樽では、高島の旧吉田医院が6ヶ月ほど前に解体。すでに更地となっていました。大好きな銭湯だった鹿の湯も、昨年11月に解体とのこと。更地になった敷地の前に立ち、呆然としてしまいました。
ファイル 679-1.jpg
旧吉田医院
ファイル 679-2.jpg
鹿の湯

函館では、元町の旧今井百貨店が、解体の真っ最中。北海製罐の工場も跡形もナシ。角地に塔屋の付いた旧函館水上警察署(函館市大町13)の建物も解体中。いったいどうなっているのだろう。
ファイル 679-3.jpg
旧今井百貨店
ファイル 679-4.jpg
北海製罐
ファイル 679-5.jpg
旧函館水上警察署

福井県武生(10)

ファイル 655-1.jpg

福井鉄道株式会社。武生の市街地の北東角にデンと構えています。

福井県武生(09)

ファイル 654-1.jpg

越前市役所の裏手でみつけた、事務所。相当規模の大きな建物です。

前村洞和を探しています

前村姓関わりで、「前村洞和」という絵師の存在を知ったのは、河鍋暁斎の自伝の記述からでした。土佐藩お抱え絵師で、江戸の本郷に居を構えており、河鍋暁斎の師であったと(河鍋暁斎も本郷在)。

知り得たのはこれだけの情報だったのですが、それからというもの「前村洞和」はどんな絵を描いていたのかをぜひ見たいものだと思っておりました。

ちなみに、河鍋暁斎と言えば、日本近代建築の父であるジョサイア・コンドルの日本画の師匠として有名ですよね(先日、ようやくジョサイア・コンドル著『河鍋暁斎』を読み終えたところです)。前村洞和から見れば、コンドルは孫弟子ということになりますか。コンドルの号は「暁英」。

河鍋暁斎
河鍋暁斎

さて、「前村洞和」で検索していたところ、遠藤英彰さんの「人生の謎学」ブログに、思わぬ記述を見つけました。
http://synch.at.webry.info/200605/article_5.html

「土佐の絵金」こと金蔵も、前村洞和の弟子であったと(洞意の号が与えられたとのこと)。河鍋暁斎の兄弟子にあたります。土佐関わりであり、絵のタッチなども似ているとは思っておりましたが、絵金と河鍋暁斎は、前村洞和によって繋がるとは。

高知県香南市赤岡町では、毎年夏「絵金祭り」が開催されており、ぜひ一度見に行きたいと思っておりました。何だか絵金も、少し身近に感じられるようになりました。
http://www.kochi-shokokai.jp/akaoka/ekinmaturi.html

絵金と幕末土佐歴史散歩
絵金と幕末土佐歴史散歩

福井県武生(08)

ファイル 653-1.jpgファイル 653-2.jpgファイル 653-3.jpg

旧武生市公会堂(昭和4年築)。こんなアール・ヌーボーのデザインの建物が武生にあるとは、驚きです。

福井県武生(07)

ファイル 652-1.jpg

旧中村商店(明治45年築)。再開発で空地となった駅前の区画のとなりにあり、とても目立ちます。

福井県武生(06)

ファイル 651-1.jpg

旧武生郵便局(大正3年築)。現在、設計事務所として活用されています。

福井県武生(04)

ファイル 649-1.jpg

旧大井デパート(昭和5年築)。街中に、こんな建物が建っています。

福井県武生(03)

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旧味湾海倶楽部(昭和5年築)。手前に、町家の建物が接続しています。現在、ドレスメーカー学院として使われていますが、どんな建物かわかりませんね。『近代建築ガイドブック』の写真でも、かろうじて飾りの付いた建物の外観が見えますが、現在は外壁をすっかり覆ってしまっています。屋上には、八角形の展望台があるとか。

福井県武生(02)

ファイル 647-1.jpgファイル 647-2.jpg

井上歯科医院(明治41年築)。こちらも、庭木が大きくなって、建物が見えません。

福井県武生(01)

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旧福井警察署(明治32年頃築)。大きな寺院の敷地内に移築され、丈生幼稚園の園舎として使われています。木々が繁り、建物の全貌が写りません。

山梨県韮崎(03)

ファイル 638-1.jpgファイル 638-2.jpg

旧道から少し奥に入ったところにある教会。案内して下さった仙道田さんは、戦後ではないかと。小生は、昭和1ケタと思いたいのだが。細かい時間のかかる手仕事ばかりの建物です。

山梨県韮崎(02)

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先日の建物と同じ通りにある、堀内写真館。左手には、屋根がガラスになっている写場が見えます。