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平面図から入る山田守

昨日、仕事が終わってから、建築博物館で開幕した「建築家山田守展」へ行ってきました。午後6時頃でしたが、結構入っておりました。

展示は、壁面全面に図面と写真、そして建築模型が8点14点ほど。パーテーションは立てず、余裕のある展示です。個人的には、建物の写真がちょっと少ないかナ~。ケースに、スケッチや手紙などがありました。

一番の見どころは、現存作品のスライド上映ではないでしょうか。写真展示の代わりにスライド上映を行なうのは最近の展示の傾向で、この建築博物館での伊東忠太展のときもそうでした。築年順に、細部まで撮影された各地の山田守の作品が上映されています。

山田守の病院はどれもY型で、マタの部分に開口部を設けています。車寄せの庇が、初期は漏斗型でしたが、その後は平らなものに落ち着いてきています。京都タワーの原型が、東海大学で試されていたり。山田守は、円やY型、X型など、平面図での形から入る建築家だと思いました。

戦後の作品は、戦前の逓信省時代の作品とは全く異なる、別人の作品のようです。こうなると、山田守にとって戦前の作品は習作だったのかも知れません。

これまで、小生の守備範囲である戦前までの近代建築に関心を向けてきましたが、山田守の戦後の作品も見ておかねばと感じました。

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